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クは高らかに笑った

男はおなじみの黒っぽい染みだらけの黒衣に身を包み、頭の一方に危なっかしく毛皮の帽子をのせていた。もじゃもじゃの黒髭に、片方の手にぶどう酒の入った革袋を持っている。身体は馬の上でぐらぐらしていたが、男の目は見かけほど酔っていないことを示していた。ラバの群れを引き連れて切り開きに入ってきた男を、ガリオンはまともに見た。何とそれはクトル?マーゴスの〈南の隊商道〉で出会った、ナドラクの商人ヤーブレックだった王賜豪醫生
「いよう、諸君!」ヤーブレックは大声でマロリー人たちに呼びかけた。「結構な収穫があったようじゃないか。見るからに剛健そうな新兵ばかりだぞ」
「これなら話は簡単だ」マロリー人の一人がにやにや笑いながら、馬を動かしてヤーブレックの行く手をふさいだ。
「なんだ、おれのことかい」ヤーブレッ。「冗談じゃない。おれは兵隊なんぞやってる暇はないんだ」
「そいつは残念なことだな」マロリー人が答えた。
「おれの名前はヤーブレック、ヤー?トラクの商人であり、ドロスタ王の個人的な友人でもある。王みずからの委任を受けて、任務を遂行しておる最中だ。おれの邪魔をしようものなら、ヤー?ナドラクに足を踏み入れたとたん、おまえらは皮をはがれ、生きながら焼かれることになるぞ」
 マロリー人は商人の言葉にいささか心もとなくなったようすだった。「われわれはザカーズ陛下の命令のみによって動いている」かれは弁護するように言った。「ドロスタ王が何といおうとわれわれには関係ない喜運佳

「だがおまえたちはガール?オグ?ナドラクにいるんだぞ」ヤーブレックは言い返した。「ドロスタ王はその気になれば何でもできる。むろんすべてことが終わった後でザカーズ皇帝に詫びることだって考えられるが、その頃にはおまえたち五人は皮をひんむかれて、ぐるぐるあぶられた後だろうな」
「おまえが公務で旅しているという証明書は持っているだろうな」
「むろんだとも」ヤーブレックはそう言いながら、頭をぼりぼりかき、愚鈍そうな当惑の表情を浮かべた。
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